ゲームスラボ通信
ゲーミフィケーションの鍵①:ユーザーが長期的に楽しめるPBL戦略
みなさんこんにちは。テンダゲームスでコンサルタントを担当している東(ひがし)です。
今回から、弊社がサービス制作に用いている【ゲーミフィケーション】について解説します。
この仕組みを導入することで「ユーザーが定着しない」という課題に対し、効果的なアプローチが可能になります。まずはこちらをご覧ください。
そうならないために、サービスに必要な要素A~Dを埋める鍵となる4つのフレームワークをご紹介します。
鍵となる4つのフレームワーク
①PBL(ポイント、バッチ、リーダーボード)
継続の基本要素
②Octalysis(オクタリシス)
動機付けとなる、8つの感情や行動を定義したもの
③KEAS(ケース)
ユーザーを4タイプに分け、設計に足りない要素を発見
④Charge&Boost
適度なストレスと解放感を与え、オクタリシスを加速
※テンダゲームス独自のナレッジ
これらを要件定義・仕様作成で用いると、効果的なUXを構築することができます。
また、すでにリリース済みのサービスであれば、追加要素として後からの導入も可能です。
①「ユーザーが長期的に楽しめるPBL戦略」
それでは今回は、最も基本となるフレームワークPBLをご紹介します。
PBLとは以下3つの要素を表し、この中を循環させることがゲーミフィケーションへの第一歩となります。
P:ポイント
財産と感じられる数値
B:バッジ
溜まったポイントに対して、達成を示すシンボル
L:リーダーボード
ランキングやステータス(対個人・対集団向けに自慢できるもの)
流れとしては、ポイントを集め→バッジを獲得し→獲得したバッジをリーダーボードで誇示させるというものです。サービスの内外で自分を誇示していけるかで、ユーザーの定着が大きく変わってきます。
例えばソーシャルゲームの場合
ポイントは、ガチャを引くための石や、武器/防具を購入するための通貨・イベントポイントが該当します。
バッジは、ゲーム内の勲章や二つ名/異名などが該当します。
リーダーボードは、ゲーム内のランキングや獲得した勲章、バッジをX(旧Twitter)などのSNSで露出していく部分が該当します。
概念としては、ポイントがユーザーのアクションによって溜まっていくもの(クエストをクリアしたり、ボスを倒したり)、ポイントから生まれる成果がバッジとなります。
「モンスター100体討伐記念バッジ」や「最速ターンクリアバッジ」など、【ゲーム内で自分の強さやゲームのうまさを誇示できる要素】と考えるとわかりやすいかもしれません。
時々「ステージクリアなどで受け取れる報酬は、バッジに当たるの?」という質問をいただきますが、報酬とバッジは少し別物になります。
報酬が消費されるもの(ゲーム内通貨や強化アイテムなど)であれば消費されて終わってしまうため、ユーザーにとっての蓄積にはならず、PBLのサイクルは生まれません。
報酬が勲章や二つ名などユーザーに溜まっていくものであれば「バッジ」に該当します。
PBLのフレームワークがなくても成功を収めるゲームは多々存在しますが、特にオンラインゲームや長期にわたって運営されるタイトルにおいては、PBLの採用がより重要となります。
今回のまとめ
ゲームの運営でよくある課題として挙げられるのが、運営が長期化するにつれユーザーが同じ内容に飽き、マンネリ傾向が強まるというものです。このような課題に対して、PBLフレームワークの適用は有益な影響をもたらします。具体的には、「何年も継続してプレイしているユーザーに特定の勲章やバッジを授与する」といった方法を採用することで、長期プレイヤーにはゲームを続ける刺激を与え、新規プレイヤーには魅力的なバッジを目指してゲームに参加する動機を提供することができます。
弊社では、オンラインゲームやソーシャルゲームだけでなく、メタバースなど多くの人が利用するサービスに関しても、お客様に長い期間滞在してもらえるよう、PBLの採用を推奨・提案しています。
また、サービス開発の要件定義/仕様作成などのコンサルティングやワークショップも行っていますので、課題を抱えている運営の方や開発会社様など、お気軽にご相談ください。
ゲーミフィケーションの鍵②:欲求を生み出すOctalysis(オクタリシス)